いまここ、とか②
自分の居場所はここじゃない、ここじゃない、
と呪文のように言い続けて、
自己暗示にかかっている。
私が、ここじゃない、って言って、
泳ぐ練習もせずに浮き輪の中でどこかへ流れている間に、
ここで泳ぐにはどうしよう、
と一旦「ここ」を肯定し、
練習して、
川を遡れる人がいる。
その人は、もう「ここ」にはいない。
それを見て、焦るけど、
泳げない言い訳を勝手に考えて、
浮き輪の中でもがいて、
次の場所を夢見てひとりごちる。
「置かれた場所で咲きなさい」が真理なのはわかっていて、
「飽きっぽい」が言い訳なのも知っている。
「決心はムダ」っていうのも、聞き飽きているけど、
じゃあどうすれば、ってまた、頭の中でぐるぐる考えて、
気付いたらまた、日常の濁流に呑まれていて。
思い切って〇〇したら、って考えても、
思い切れるわけでもなく。
思えば、自由人とか標榜しても、
誰かの、何かのバックアップがないと、
何もできなかったこれまでだったんじゃないか、とも思う。
帰ってくる家があるから、家出できた
復学できるから、留学できた
仕事があるから、休暇で海外に飛び出せる。
ここじゃない、ここじゃない
って思っても、
会社をやめたらどうなるのよ、とか、
真っ暗すぎてわからない。
背負うものがない今でさえ、自分のエゴでがんじがらめなのに、
責任ができたら、どうするのよと。
ほんと、どうしよう。